子どもの情報機器活用に関わるトラブルのリスクアセスメント
2020年7月13日 / お知らせ, 共同研究, 情報モラル教育
私どもの研究室とLINE株式会社の共同研究の成果が,日本教育工学会論文誌に掲載されました。
従来のトラブル調査は,発生率にのみ焦点化されたものが多かったのですが,本研究では重大性と発生率の両軸からそのリスクを評価しました。ぜひご覧ください。
■抄録
本研究の目的は,情報機器活用に関わるトラブルについて,重大性と発生率の両軸からそのリスクを評価すると同時に,そのリスク増大要因を検討するところにある.小学校第4学年から高等学校第3学年の児童生徒(n=6229)を対象に,情報機器の利用状況に関する項目と,12種類のトラブルについて3段階の重大性を設定した合計36ケースについて,過去1年間での経験頻度への回答を求めた.結果として,どの学校種においても最も発生率の高いトラブルは「長時間利用」であり,特に小学校において高かった.また,重大性と発生頻度の積によってリスク指標を算出し,利用状況からその増大要因を検討したところ.トラブルの種類によって異なる要因が影響することが明らかになり,特に「使用時間」と「学年の高さ」は10種類のトラブルのリスク増大要因となっていた.これらの結果を踏まえて,情報モラル教育における実践的示唆を議論した.