「情報モラル」と「デジタル・シティズンシップ」について
最近,よく「情報モラル教育は禁止の教育だ」や「情報モラル教育は情報社会のことを考えていない」,「これからはデジタル・シティズンシップだ」などの意見を耳にすることがあります。
もちろん,デジタル・シティズンシップの考え方を批判したり,否定したりするつもりはありませんが,「情報モラル」の捉え方が狭義だなと感じることもあります。
情報モラルは,「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」とだけ紹介されることがありますが,学習指導要領の解説(総則編)をよく読んでいただくと,情報モラルに関する具体的な内容を理解することができるかと思います。決して情報モラル(教育)は,何かを禁止したり,情報社会のことを考えていなかったりするわけではありません。そもそも情報モラルは情報活用能力の一部ですので,活用は前提となります。
少なくとも現在の学習指導要領では,まずは情報モラル(教育)をきちんと理解し,実践していくことが大切であると考えますので,文部科学省の「情報モラル教育指導者セミナー」(2022/10/26)でもお話しさせていただいたスライドを貼り付けさせていただきます。
皆様もぜひ,学習指導要領の解説(総則編)における情報モラルの記述をご確認いただき,まずは情報モラルが目指すべきところについて考えていただければと思います。